2冊の旅行記+1 [ひとりごと]
今日、イザベラ・バードの「日本奥地紀行」(高梨健吉訳)を読み終えた。平凡社ライブラリーから出されている500頁を超える文庫本であるが、1878年(明治11年)47歳のイギリス人女性が、東京から日光、新潟、小国、米沢、山形、新庄、横手、秋田、青森、そして北海道を一人の日本人を連れて旅した紀行文である。読み方として、女性の一人旅としての驚き、当時の日本の風景、当時の西欧思想から見た事象の対比、宗教感の違い、彼女の博識や向学心、いろいろあり、感想も又まちまちであろうが、彼女が盛んに伝える安全、女性一人が無事に東京から北海道へ旅し、帰って来られた事実が何より日本を語っているよう思われた。
もう1冊は、「シュリーマン旅行記 清国・日本」(石井和子訳、講談社学術文庫)1865年(元治2年から慶応元年になった江戸時代末期)に43歳のシュリーマンが世界漫遊の途中に立ち寄った中国と日本の旅行記で、約1ヶ月間の日本滞在に際し、西欧からの目を通してではなく、一人の人間として、興奮し感激している様があちこちに見られる。彼はこの6年後トロイの遺跡を発見した考古学者である。
そして、もう一冊。これは旅行記ではないが、1562年来日〜1597年に長崎で亡くなるまでの信長、秀吉時代に布教活動をした宣教師ルイス・フロイトの「ヨーロッパ文化と日本文化」(岡田章雄訳注、岩波文庫)これもまた古き良き日本を西欧と対比させながら書かれた本である。一つ一つの事柄に訳注がついているので非常に分かりやすく書かれている。そして、このカバーにある紹介文「......貴重な資料であるだけでなく、現代の我々に様々な問題をよびさまさずにはおかない。」これが、今回紹介した3冊に共通しているテーマです。
まだ、お読みでなければ、是非どうぞ...
いまこの殺伐として浮ついた日本は、かつて..............
count 1763
2009-03-12 05:51
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